「大板山たたら製鉄遺跡」で知る江戸時代の製鉄


萩・明倫学舎2号館の世界遺産ビジターセンターで体験していただける「ふいご」。

江戸時代に行われていた製鉄の手法です。

なかなかの重労働。ぜひ、体験してみてください。

こちらの映像や展示を見ることで、明治日本の産業革命遺産について詳しく知ることができます。

そして、萩・明倫学舎2号館で世界遺産を学んだら、大板山たたら製鉄遺跡へ行ってみましょう!

大板山たたら製鉄遺跡

大板山たたら製鉄遺跡へは、萩・明倫学舎から車で約40分ほどで行くことができます。

大板山たたら製鉄遺跡は、江戸時代中頃から明治初期まで操業された石見系の「近世たたら」の遺跡で、長州藩の重要な鉄材の供給基地でした。長州藩最初の洋式軍艦「丙辰丸」の建造にも使われ、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として登録されました。操業の中心的遺構である高殿をはじめ、元小屋、砂鉄洗い場、鉄池などの遺構をフルセットで見ることの出来る全国的にも貴重な遺構群です。当時の建物群をタブレット映像で現地に合わせてご覧頂くことも出来ます。何故この地で「たたら製鉄」が展開されたのか、来て見ていただくと分かります。遺跡とともに、四季折々の豊かな自然が美しい!

大板山たたら館

大板山たたら館は、平成29年3月にオープンしたばかりで、まだ木の香りの残る展示休憩室です。遺跡発掘時の様子、大板山たたら製鉄の歴史、世界遺産に登録された理由などがパネルで紹介されています。必見は、長州藩の絵師によって画かれた、たたら製鉄の絵巻のビデオ(絵巻現物は東京大学に所蔵)。当時のたたら製鉄の様子を知ることができます。

絵巻物

「先大津阿川村山砂鉄洗取之図」より 東京大学所蔵

こちらは、たたら操業の様子が画かれた有名な絵図です。

村下(技師長)と呼ばれる人が原料の砂鉄を炉に撒いています。交互に入れる炭を準備している炭坂(副技師長)と呼ばれる人もいます。たたらを踏んでいる人は番子と呼ばれていました。たたらで炉底に風を送って炭を燃焼させて炉の温度を千数百度の高温にし、砂鉄(鉄の酸化物)に一酸化炭素による還元反応を起こさせて鉄を生成しています。炉底から流れ出ているものはノロと呼ばれる鉄と不純物が混じったもので、一種の精錬が行われています。作業は3日3晩~4日間連続して行われました。

土・日曜日、祝日はボランティアのガイドがいます。

団体の場合には、ガイドのご予約をお願いいたします(有料)。団体予約の場合は平日も承っております。

 

お土産も充実

大板山たたら館の館内には、おもてなし物産コーナーも。地元の食材を使ったお菓子や地元農家が作ったジャムなどのお土産を売っています。

大板山たたら製鉄遺跡や「たたら館」の管理清掃、ガイドは、地元の人々のボランティア団体、福栄文化遺産活用保存会が行っています。また、毎年「たたら祭」を企画運営しています。昨年は、ミニたたら操業の実演や、たたら太鼓の演奏、地元産物の販売、新米すくい、餅まきなどを行い、多くの人が参加しました。本会が新規開発した「丙辰丸まんじゅう」は、焼きたてで、美味しく好評です。

萩市福栄地域には、他にも神社仏閣やキリシタン祈念地などの文化財があります。「福栄おたからマップ」を用意しています。こちらもお楽しみ下さい。

 

たたら製鉄を再現!

平成29年10月29日に行われた「ミニたたら操業祭~皆で丙辰丸の鉄造りに挑戦しよう~」では、耐火レンガとブロックを積み上げて、ミニたたら炉を造りました。参加者が砂鉄と炭をおよそ10分間隔で炉に装入し、3時間たった頃から「ノロ出」を行いました。4時間たった頃、無事、鉧(ケラ)を取り出す事が出来ました。鉄を使ったペーパーナイフ作りコンテストも行いましたよ。

感動の瞬間です!

 

大板山たたら製鉄見学者の感想

愛知県  K. Y. さん
「産業革命遺産を九州山口と見てきて、その歴史の内容をガイドの方々からお聞きすることで深みが伝わった。江戸時代から明治に続く産業革命(工業化)の歴史に感動した。訪れてみて、この遺産の価値がよく理解できた。先人の知恵のすばらしさも伝わった。遺跡の魅力の伝え方が各所で趣向を凝らしていて良かった。」

ドイツ在住 M. M. さん
「保護・保存の手法にドイツとの共通性を感じました。
ガイドさん有り難うございました。これからの皆様のご尽力に敬意を。」

東京都 R. G. さん
「空気が澄んでいてすばらしい自然をたんのうしました。
たたらの遺跡を拝見し、いにしえの人々のくらしに思いをはせることができました。ありがとうございました。」

 

【大板山たたら製鉄遺跡についてのお問い合わせ】
TEL  0838-53-0211 萩市紫福支所 福栄文化遺産活用保存会
平日 午前8時30分~午後5時15分

【大板山たたら館についてのお問い合わせ】
TEL 0838-53-0909
●開館時間 午前9時~午後5時 ●休館日 なし(3月~12月)
※1月、2月の開館日は積雪により不定期。遺跡の見学は随時可能

■周辺地図
≫大板山たたら製鉄アクセスマップ